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建築設計:その4【自分自身でも建築設計は出来るのか?】

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 出来上がった物を購入する事は、簡単かもしれません。それが、貴方のライフスタイルに合うものであればそれが答えなのだと思います。しかし、本当にそうなのでしょうか?賃貸物件であれば飽きたら次の賃貸物件を探せばそれで問題は解決できますが、マイホームとなると中々そう簡単に売ったり買ったり出来るものでしょうか?
建築設計:その4【自分自身でも建築設計は出来るのか?】_b0084587_16193574.jpg 建築の設計は、ハウスメーカー・工務店・不動産の設計部の仕事だと思っていますか?間取り打合せの時にスムーズに打合せが進みましたか?予算の関係や、自分自身を上手く表現出来ずに本当の事を誤魔化したり、面倒臭くなったりしませんでしたか?

 出来上がってからでは、後の祭りになります。間取りの不満の部分は高価な設備で誤魔化したり、建物とは関係ない車や趣味の道具購入に走ってしまたりしてませんか?

 実際に設計といっても、何から始めたら良いのかチンプンカンプンだと思います。建築士の仕事をこなす必要はありません。仮にその様な事が出来たら世の中の建築士は皆、廃業でしょう。

 業者まかせのプランに飲み込まれない様に、自分のイメージプランまでは誰もが出来る作業だと思っています。そういった意味では、自分自身でも建築設計は出来ると思いますし、是非、この建築設計の貴方の理想イメージ世界へ参加して欲しいと思います。


設計前の基本事項
(自分が必要としている物?)

建築設計:その4【自分自身でも建築設計は出来るのか?】_b0084587_16275139.jpg  流石に、いきなりプランニングという訳には行きません。まず、最低限の調査は必要と成ります。
建築設計:その4【自分自身でも建築設計は出来るのか?】_b0084587_16214440.gif①:敷地の用途地域の確認
・用途地域名(例:第1種低層住居専用地域)
・建ぺい率/容積率
・防火指定:有・無
・敷地求積図:敷地面積(m2/坪)
・日影規制(10mを超える場合)
・総予算検討
・引越先検討
 おおまか、上記の内容は調査・検討をする必要があります。
建築設計:その4【自分自身でも建築設計は出来るのか?】_b0084587_16225538.gif ②:建物のイメージトレーニング作業
・現在の住まいの間取り再確認
・ご近所の建物散策
・デザイナーズ?と言われている不思議建築散策
・古民家の散策
・計画敷地周りの散歩(徒歩・自転車・自動車の3パターン)
・計画敷地周りの散歩(朝・昼・夜の3パターン)
・家族との団欒の時間を必ず設ける事(家族の情報収集作業)
 上記の内容をきっかけに、家族全体で建物イメージに参加する雰囲気造りを進めて事により、設計計画を進めるに当たっての色々なヒントが見え隠れしてきますので、必ず行う必要があると思います。
建築設計:その4【自分自身でも建築設計は出来るのか?】_b0084587_1624640.gif ③:空間のイメージトレーニング作業
・畳半畳のサイズは、関東を基本にすると910×910mmがそのサイズとなります。
・910×910mmの大きさを1グリット=1Gとして、現況住まいの空間サイズ確認作業
(1帖=1,820×910mm=2G
1:トイレのサイズ(一般的に 1.5~ 2.0G程度)/(0.75~1.00帖程度)*
2:洗面室のサイズ(一般的に 3.0~ 4.0G程度)/(1.50~2.00帖程度)*
3:浴 室のサイズ(一般的に 3.0~ 4.0G程度)/(1.50~2.00帖程度)*
4:台 所のサイズ(一般的に 6.0~ 9.0G程度)/(3.00~4.50帖程度)*
5:食 堂のサイズ(一般的に 9.0~12.0G程度)/(4.50~6.00帖程度)*
6:居 間のサイズ(一般的に12.0~16.0G程度)/(6.00~8.00帖程度)*
7:寝 室のサイズ(一般的に12.5~16.0G程度)/(6.00~8.00帖程度)*
8:個 室のサイズ(一般的に 9.0~12.0G程度)/(4.50~6.00帖程度)*
9:和 室のサイズ(一般的に 9.0~12.0G程度)/(4.50~6.00帖程度)*
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* 印:一般的建売住宅を参考にした数値です。)
 上記の空間サイズを頭に入れながら、現在のお住まいの間取りを書く練習をお勧めします。この作業をする事により、現在の住宅の問題点が診えたりした時は、それは次の本命のプランニングの際の大きなヒントとなりますので、頑張ってみて下さい。


設計のイメージ
(間取りを優先して!)

建築設計:その4【自分自身でも建築設計は出来るのか?】_b0084587_16295933.gif 今回の敷地にどの程度の面積の建物が建つかの確認が必要です。用途地域確認の時に建ぺい率と容積率の調査は完了していますので、その調査表を元に大まかな規模を確定します。

 例えば、敷地面積が100m2だとした場合、建ぺい率:60%/容積率:200%を例にすると、建築面積:60m2以下/延床面積:200m2以下の規模の建築が可能となります。但し、用途地域が住居系である場合に前面道路が4mの場合は、容積率に制限があり前面道路幅員4m×0.4=160%以下の規模での計画制限があります。
建築設計:その4【自分自身でも建築設計は出来るのか?】_b0084587_16312685.gif 仮に、木造2階建て住宅を計画する場合に、総2階の場合は、1・2階床面積:60m2(約18坪)の延床面積:120m2(約36坪)の建築が出来る事が解ります。
 次に、大まかな規模が確定出来たら、次に検討する内容は概算金額を検討します。大まかに坪単価で安い場合で坪当たり45万程度の場合:36坪×45万=1620万+81万(消費税)=1701万程度の金額は算定できます。ちなみに坪60万程度の場合は2268万程度の金額になります。

 総予算が2500万の場合に計画できる規模を算定してみます。以下は予想される科目を記述をしてみました。
 ①:解体費用:木造解体坪当り3万程度の場合:30坪×3万=90万程度と仮定する。
 ②:引越費用:1回の引越費用として30万の場合、家→貸家→家:30万×2=60万程度と仮定する。
 ③:引越先家賃:1ヶ月当り15万程度として15万×4ヶ月=60万程度と仮定する。
 ④:水道引込工事費:地域によってまちまちですが、約15万程度と仮定する。
 ⑤:ガス引込工事費:都市ガスの場合、おおまかに約30万程度と仮定する。
 ⑥:地質調査費:スゥエーデン式サウンディング方式の場合で約6万程度と仮定する。
 ⑦:確認申請費:工務店・ハウスメーカー等の場合、おおまか15万程度と仮定する。
 ⑧:登記費用:滅失・保存・表示:登記費用をおおまか20万程度と仮定する。
 ⑨:火災保険料:30年期間の場合に工事規模・金額によって増減しますが、約60万程度と仮定する。
建築設計:その4【自分自身でも建築設計は出来るのか?】_b0084587_16323697.gif 以上の内容を合計すると、約356万は必要となります。総予算2500万-356=2144万程度の建築設計・施工に掛けられる概算の金額が算定されました。
 この金額より、建築士事務所に設計監理を依頼した場合に約10%程度の設計料がかかると仮定すると2214万の内訳が設計監理料に195万(10%)と本体建築工事費1950万程度になる事が確定します。

 これらから、いよいよ貴方がイメージする夢のマイホームのプランニングのスタートとなります。規模範囲は32坪(128G)~35坪(140G)程度の範囲で色々なパターンの間取りを検討していきます。
建築設計:その4【自分自身でも建築設計は出来るのか?】_b0084587_16332498.gif 手始めとして、おおまかに総2階規模を想定して、1階部分(2階共通)に16坪(64G)~17坪(68G)の輪郭を作ってみてその中で必要な部屋を間仕切ってみます。色々なパターンが出来ると思いますが、いきなり間仕切っても多分、なかなか自分が思ってる間取りにならないと思います。




設計の図面実務
(初めはグリットで線を引く!)


 いよいよ究極のパズル作業の始まりです。私も最初の設計事務所(代願専門)では、色々と苦しみました。
建築設計:その4【自分自身でも建築設計は出来るのか?】_b0084587_16371625.jpgパズルをああでもない、こうでもないとやっている時が一番楽しい時間だったかもしれません。

 今回は、そんな無駄な作業は出来るだけ省く事にしましょう。今回は上記の規模32坪~35坪程度の場合のプランニングのヒントを提示しようと思います。

 よく建売設計でもやるパターンかもしれませんが、この様に考えて行きます。
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 上記の内容で、間取りを数字上では間仕切事は可能となりますが、実際には廊下部分で上記の数値上で納まらないケースが発生しますので、現在延面積が32坪ですが、後2~3坪(8~12G)の余力部分で面積調整をすれば、とりあえず不動産チラシで言う4LDKの間取りが完成するはずです。
建築設計:その4【自分自身でも建築設計は出来るのか?】_b0084587_1641085.jpg 32~35坪の程度の規模の場合は、建売計画の場合部屋数を多くしたい場合は5LDKの物件もあるかもしれませんが、個室が4.5帖のケースが殆どではないかと思われます。

 果たして、部屋数が多い事が理想なのでしょうか?これからは、貴方が本当に必要にしている物が何かを探しながらのプランニングを進めて下さい。ちょっとした哲学に触れる感じかもしれませんね。


設計の許認可と施工図面とその監理
(知人の設計士と共同作業!)

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 ああでもない、こうでもないと色々と苦しみながら、何とか間取りが納まりましたら、いよいよ建築確認申請の業務に進みます。と行きたいのですが、現実的には一般の方が許認可を取る事は不可能だと思われます。

 次に進める事は、もし知人の設計士の方がいらっしゃれば、その方に、また、いない場合は、工務店の設計者に貴方の間取りをあくまでも、基準法に照らして不都合な部分のアドバイスを貰って下さい。
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 その時の問題点が発生するとしたら、採光部分・斜線部分・耐震壁のバランス・避難路等が該当するかもしれませんが、大抵の建築士は貴方に無料でアドバイスをくれるはずです。場合によっては、その建築士が法的にまとめて基本構成をあまり代えないで再プランニングサービスをしてくれるケースもあります。

 その指摘事項も無事クリアーすれば、貴方が理想としていた家の間取りの完成が近づいてきました。全て業者任せの住宅ではない、オンリーワンの貴方の夢のマイホームが完成していくと思います。
 今後の作業は、建築士事務所へ頼むのもいいでしょう。また、工事をしてもらう工務店の設計部で工事用図面と許認可をお願いするのもいいでしょう。
建築設計:その4【自分自身でも建築設計は出来るのか?】_b0084587_16562475.gif 基本間取りさえ確定してしまえば、後はその建物に必要な設備と外装・内装仕上を決めていく作業があります。その資料は、設計事務所でも工務店でも必ずありますので、その資料を参考に予算を考慮しながら選んでいって下さい。あまり欲をかくと予算オバーになるので、事前に設備の見積は取って金額のチェックは必要だと思われます。
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 仕様打合せは、意外と地味な作業ですが、ここであまり妥協したり人任せにしてしまうと、今までの貴方のプランニングがつまらない物に変わってしまいますので、納得がいくまで色々と情報を集めて、また、ショールームなどで現物確認をして欲しいと思います。

 貴方の財産になるマイホームの設計・監理業務は建築士へ依頼されればさらに素敵な貴方のオンリーワンのナンバーワンなマイホームが完成されるのではないでしょうか。
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by ancoffice | 2022-03-14 11:31 | HP 建築設計 | Trackback | Comments(0)

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